紀伊半島の環境保と地域持続性ネットワーク 紀伊・環境保全&持続性研究所(三重県津市)
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 三重県津市上浜町の兵丹池 


 三重県津市上浜町の兵丹池には、面積のより狭い中池、北の池が隣接している。兵丹池は「ひょうたん」のように、中ほどがくびれて折れ曲がった形をしている。周辺は住宅団地となっており、東側には県道10号線が走っている。

 兵丹池は、住宅団地に貴重な緑と親水空間を提供している。中池との境となる兵丹池の北側は歩道となっていて、兵丹池の岸には危険防止用の金網柵が設けられている。

 池には、やたらとカメが多い。特に、十分に成長した大きなミドリガメ(種名:ミシシッピーアカミミガメ)が、池の中の材木に積み重なって休んでいたり、あちこちの岸辺に数匹ずつ休んでいて、近づくとあわてて水中に飛び込む。水中を泳いでいる個体もかなり多い。この多さは異常なほどであり、隣の中池にも数は兵丹池ほどでもないが生息している。子供達がミドリガメを飼って楽しむが、他の野生動物のペットと同様に、大きく成長すると飼いきれずに野外に放棄する。これが自然界に定着・繁殖し始めると、天敵が少ないために急速に増加することになる。そして、将来的に、このため池を中心に、ミシシッピーアカミミガメの分布が広がり、密度も増していくものと思われる。ミシシッピーアカミミガメは、「外来生物法」の規制対象となる外来生物ではないが、生態系に悪影響を及ぼす可能性があるので、環境省によって要注意外来生物として指定され、野外へ放さないなどの適切な取扱いが求められている。

 住宅団地が隣接しているために、水質がやや富栄養化していて水生植物などが多いせいか、カメばかりでなく、4月中旬にもかかわらず、他のため池のカモ類が北へ旅だった後にも、このため池にはハシビロガモなどのカモ類がまだかなり残っていた。
 
(写真をクリックすると拡大します)
三重県津市上浜町の兵丹池
 兵丹池の南端を通る道路ぎわから見る。山桜が4、5本咲いている。左側手前の池内のかたまりは、ミシシッピーアカミミガメが枯れ木の上に重なりあっているものである。
兵丹池の北側から見た風景
 兵丹池の北側から見た景色。
兵丹池に設けられた防護柵
 兵丹池の北側の中池との境には歩道があり、兵丹池に入らないように金網の柵がしてある。 
兵丹池の水鳥
 4月中旬であったが、兵丹池には冬の水鳥がまだ居残っていた。 
兵丹池のミシシッピーアカミミガメ
 池に入り込んだ根に、ミシシッピーアカミミガメがつかまっている。大きいのも、小さいのも居るところをみると、この池で繁殖している可能性がある。  
兵丹池のミシシッピーアカミミガメの成体
  ミシシッピーアカミミガメの親亀が岸で休んでいる。水中にもカメが泳いでいる。
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